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本山茶と、安倍川餅。
   本山茶(ほんやまちゃ)と言えば、静岡茶の中でも“ちょっとしたお茶”でございます。
 静岡市を流れる安倍川と支流・藁科川の上流域(山間部)で作られる茶、本山茶。
 古くから、「香味の良い良質な茶は、比較的冷涼な河川の上・中流域の朝霧のたつような
 地域で生産される」と言われますが、その代表のようなお茶です。
 昔は、安倍茶と言いました。(幕末頃から発展した安倍川下流域産の茶(のち、新山茶)と
 区別するため、大正期から本山茶と呼ばれるようになりました。)
  有名な所では、足久保、玉川、梅ヶ島、藁科、清沢、水見色…といった所でしょうか。
本山茶と、安倍川餅。_c0150974_11332535.jpg
 安倍茶は静岡(駿河)茶のルーツとも言える茶で、『1241年、地元出身の聖一国師(しょう
 いちこくし)が宋から茶の種(木?)を持ち帰り、足久保の地に植えたのが始まり』とも伝えら
 れていますが…未詳。しかし戦国時代には生産の記録があり、茶産地として有名になって
 いたそうです。(南北朝時代の僧・虎関師錬(こかんしれん)が著した『異制庭君往来』には、
 茶の名産地として京都各地、大和、伊賀、伊勢、駿河、武蔵などがあげられています。)

 また安倍茶は、晩年を駿府で過ごした徳川家康に大変気に入られて、御用茶として献上さ
 れていた歴史もあります。家康は標高1167mの井川の大日峠山頂に御茶壷屋敷を置き、
 土地の豪族海野氏に管理させていたそうです。春に作った足久保の茶を茶壷に詰めて
 秋まで寝かせ、熟成したお茶の味わいを楽しんでいたとか~。

   そして、安倍川とくれば…安倍川餅♪
 一般的な作り方は、
 焼いた角餅を湯にくぐらせて、きな粉をまぶし、上に砂糖をちょこっとのせます。
 この安倍川餅、徳川家康が名づけ親だとか。安倍奥には幕府の御用金山が2箇所あり、
 検分に訪れた際、家康に献上されたのが、きな粉をまぶしたお餅でした。
 『この餅を献上した男が「安倍川の砂金をまぶした金粉餅と申します」と言ったところ、家康が
 その機知を喜び、褒美を取らして「安倍川餅」と名付けたのが由来』とかなんとか。
 
 今まで、安倍川餅も雑煮も汁粉も、硬い餅は焼くのが当たり前だと思っていましたが、最近に
 なって静岡は煮餅文化だと知りました。 で、今回は硬い角餅を煮て、安倍川に。
 餅を真ん中が柔らかくなるまで煮ると外側がだいぶ溶けますので、勿体無いと思われる方は
 焼いてくださいね。^^本山茶と、安倍川餅。_c0150974_11134877.jpg
さてさて、
本山茶を淹れてみました!
湯温は、いつもより低めの70度を準備(急須に移すと約60度)。浸出時間は1分半。
透明で山吹色より少し緑がかった水色。気持ち甘めの青葉香。
一口飲むと、“う・・うまいーっ!” 口当たりはさらっとしているけれど、味にどっしりとした厚みが感じられます。とにかく厚い。 
 旨味や甘味はもちろんしっかりとありますが、“これぞ本山”という渋味! 
 本山茶の渋味はとても特徴的なんです。強めなので、慣れない人には渋味ばかりが目立ち、
 キツく感じられるかもしれないのですが、味の厚みや深みはこの渋味があってこそ。他の成分と
 相乗して口いっぽいに味が広がります。飲んだ後もなかなか消えません。
 今日のお茶は、静岡本山茶研究会謹製の『熟成本山茶』1回分、6g300円也~。
 1回分でなければとても手が出せません。。あぁ~1回分終わっちゃったな。 流石は本山茶! 
  ※熟成については、只今勉強中ですのでご勘弁を。<(_ _)> 
by aku_beeno | 2008-01-30 11:46 | | Comments(4)
Commented by soave at 2008-02-02 19:52 x
このお茶飲んでみたい。
一回分ずつ売ってくれるなら私でも試せます(^^;)
水もイイのを使わないともったいないかも。
Commented by aku_beeno at 2008-02-03 15:12
soaveさん:ありがとうございます!
私も、もう1つくらい買っておけば良かったと思って。。
今年の秋にまた売り出されるかもしれないので、その時はお知らせしますね。
よっぽど酷い水でなければ、水道水+浄水器+沸し方で普段は大丈夫なのですが、
山の清水が使えたら、やっぱり最高ですヨネ!
Commented by ロデム at 2008-06-07 21:43 x
 私の実家では本山茶を作ってます。でも父が亡くなってからは、自家用と本山茶を好きな方に実費でお分けしています。
 本山茶って確かに新茶の頃より秋以降の方が味が落ち着くのですよね。私は、子どもの頃から飲んでいたので、お茶は、すべて、そうなのかと思っていましたが、大人になって本山茶独特なものであることを知りました。
Commented by aku_beeno at 2008-06-08 04:12
ロデムさん、はじめまして。コメントをどうもありがとうございます!
そうですか~子供の頃から本山茶に親しまれているのですね。
私にとっては、誠に羨ましい限りです☆
秋以降の方が落ち着いた味に、それも本山茶特有である…とのお話。
とても興味深く拝見しました♪ となるとやはり本山茶には、熟成に向いた成分というのが特に多く含まれている・・のでしょうか?
今まであまり熟成ということを意識して飲んでこなかったので、素人には難しいテーマでは
ありますが、少し勉強してみたいと思います。^^
拙いブログで恐縮ですが、宜しければまたお越しくださいませ。<(_ _)>


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